今の私は悠翔とつきあっているんだからこのくらいは別に普通だと思うし……。
 やっぱり恥ずかしいとか言うよりも悠翔とこうしていることの嬉しさの方が大きい。
 そう考えながら私は悠翔の横顔をちらっと見る。
 悠翔もほんのりと頬を染めているような気がする。
 私と同じように意識してくれているのかな?
 悠翔はあまり表情に出さないから解らないけど……多分、意識してくれてはいるんだと思う。
(なんか良いな……こういうの)
 御互いに意識していて……御互いに感じている。
 2人で同じ感覚を共有しているって言う感じがして凄く嬉しいと思う。
 だけど……もっとドキドキしたいし、もっと感じたい。
(やっぱり、私は悠翔のことがどうしようもなく好きなんだな――――)
 こうして手をつないでいて、私はそう実感した。






















魔法少女リリカルなのは
Sweet Lovers Forever
















「さて、と何処に行く? とりあえず、駅前にでも行ってみる?」
 悠翔と手をつないだまま歩きながら尋ねる。
「そうだな……良いと思う。駅前なら色々とありそうだし」
「うん、じゃあ……そうしよっか」
 悠翔が駅前で良いと言ってくれたので行き先を海鳴駅の周辺にする。
 因みに間違えられやすいけど風芽丘駅とは違う。
 風芽丘中央病院が海鳴大学病院の敷地の中にあるように海鳴駅も同じように風芽丘駅と一括りにしている人もいたり。
 私も元々はそうだったんだけど……。
 なのは達と一緒に回っているうちに教えて貰った。
 そういえば病院のことは恭也さんに教わったっけ……。
 間違えやすいから気をつけるようにって。
 病院のことに関しては悠翔は解ってるとは思うけど……。
「悠翔は何をしたい?」
「そうだな……とりあえず、ウインドウショッピングとかで良いんじゃないか? 映画とかも考えたけど、此方の映画は何をしているのか解らない」
 悠翔は駅前についたらウインドウショッピングで良いって言ってるけど……。
 そう言えば悠翔は今まで日本にはあまりいなかったみたいだから映画とかは解らないみたいで。
 私は逆に日本しかいなかったから悠翔がどんなものを見てきたのかは解らないけど……。
「じゃあ、色々と見てまわろ? 悠翔の気に入るものもあるかもしれないし」
 とにかく、色々と見て回るのが良いのかもしれない。
 悠翔がどんなものを好んでいるかなんて解らないけど……。
 初めて来た場所である海鳴なら色々と悠翔の目を引くものがあるかも。
「そうだな。フェイトに何か買ってあげられるかもしれないしな」
「ゆ、悠翔っ」
 って悠翔――――!?
 いきなり何を言ってるの――――?
 いや、悠翔の言っていることは凄くうれしいけど……。
「もう、悠翔っ!」
 そう言って貰えてとても嬉しくて。
 少しだけ照れくさく感じてそっぽを向いてしまう。
 でも、頬が緩んでしまうのは止められない。
 あ〜……もうっ! 悠翔は解って言っているんじゃないかな?
















 フェイトが少しだけ頬をふくらませている。
 ……少し冗談が過ぎただろうか。
 俺としては本気で言ったつもりだから別にやましい気持ちとかは無いんだが。
 それにフェイトに贈り物をしたいのは本当だから別に冗談ってわけでもない。
「まぁ、それはおいおい買い物する時に考えるとして……今回は折角のデートだから楽しもう」
「う、うんっ!」
 とりあえず、今さっきの話を置いておくことにしてフェイトにデートを楽しもうと促す。
 流石にこのまま放置しておくのは論外だ。
 あくまで今回の目的はデートにあるんだからな。
 フェイトの表情が元に戻ったところを見るととりあえずは話を変えることには成功したらしい。
 そのままの表情でもフェイトは可愛らしいが……虐めたりするのはどうかと思う。
 いや、別に虐めたりしているわけでは無いのだが……。
「じゃあ、早くいこ♪」
「……ああ」
 フェイトの明るくなった表情を見れば気にしていても仕方が無いと思える。
 彼女が楽しんでいられれば俺としてはそれで良いのだから。
 フェイトが少しだけ足早に俺の手を引いてくる。
 俺の方がフェイトよりも背も高いし、歩幅もあるから抜くのはそう難しくは無い。
 だけど、今回はフェイトにエスコートして貰うと言うのが約束だからな――――。
 とりあえず、俺はフェイトの歩く速度に合わせてついていく。
 彼女の歩く速度は遅くは無いけど、俺の速度からすれば速くは無い。
 やや、ゆっくりとしている感じだろうか。
 今までは無意識のうちにフェイトの歩く速度に合わせていたと言う感じだったが……。
 意識してみるとこんなふうに感じる。
 フェイトと同じ速さで同じ景色を見る――――。
 漠然としたものではあるが何処となく心地よく感じる。
 こうして、一緒に歩いてみるだけでも良いものだな――――。
















 少しだけ悠翔にからかわれているような気がしてむっとしてしまったけど……。
 結局は悠翔のデートを楽しもうと言う言葉で嬉しくなってしまう。
 考えてみれば、悠翔は真面目な人だから私をからかったりなんてしない。
 からかっているように聞こえたとしてもそれは素で言っていることのが普通だと思う。
 悠翔ってそう言った意味ではクロノとタイプが同じかもしれない。
 後は恭也さんにもタイプが似ているのかなって思う。
 私の好みのタイプがこう言った人なのかって聞かれると解らないけど、悠翔のことは好みのタイプ……なんだとは思う。
 見た目だけでも格好良いとは思うけど……それは二の次でしかないかな。
 悠翔の場合は内面的なものだと思うから。
 幼い頃から剣を振るっているって言うのもあるかもしれないけれど意思の強さも覚悟の強さも私達とは段違い。
 それでいて、悠翔は剣を振るえばどうなるのかを知っている。
 だからこそ悠翔は私が知らないようなことも知っていて――――どうしても目が離せない。
 悠翔はそれだけ、私達魔導師じゃ想像もつかいないものを見てきたんだと思う。
 時折見せる真剣な表情に私の目はずっとくぎづけで。
 私ってそんなに惚れっぽいタイプだったのかなって思うこともある。
 だけど、そう言った反面、悠翔は優しい人でもあると思う。
 悠翔は初めて私と出会った時も見知らぬ人だったはずの私をなんの躊躇いも無く助けてくれた。
 思えば、私は初めて会った時から悠翔のことを気にしているわけで……。
 多分、悠翔とのことは一目惚れだったんだと思う。
 改めて考えてみると絶対にそうだと実感出来る。
 初めて悠翔の姿を見かけた時から私は悠翔のことを気にしていたんだから……。
 私がここまで気になった人は悠翔が初めてで。
 誰にもこんな気持ちになんてなったことは無いと思う。
 悠翔と出会ってまだ、数日でしか無くて。
 本当に僅かな時間――――なのは達との時間の何分の一にも満たないのに。
 でも、私は悠翔のことを好きになって……こうして、つきあうことになって……。
 とにかく、惹かれるままに悠翔とはこうなったんだと感じる。
 だけど……それは全然、嫌な気持ちなんかじゃなくて。
 寧ろ、それが凄く嬉しく感じてしまう。
 やっぱり、私は悠翔にベタ惚れなんだな――――。



































 From FIN  2009/5/18



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