「あの……悠翔?」
「ん……なんだ?」
「今、やった動きは……士郎さんがやったものだよね……?」
 私は今の悠翔の動きが気になって質問をする。
「……ああ。確かに士郎さん遣っていた技だ。俺が元々は遣うことが出来ない技でもあるかな」
 悠翔が私の疑問に答えてくれる。

 でも……一度見ただけで自分のものじゃない動きが出来るなんて……
 普通は一度見ただけで覚えてしまうなんて難しすぎると思うから……
 う〜ん……悠翔って結構、凄いのかも?






















魔法少女リリカルなのは
Sweet Lovers Forever
















「ああ、一つだけ言っておくけど俺はフェイトが考えてるほど凄くは無いぞ?」
「ふぇ?」
「虎切に関しては以前から見てるからな。俺自身が身をもって受けたのは今回で初めてだけど」
「み、身をもってって……」
 私は悠翔の言っていることにぞっとする。

 もしかして、剣術ってそうやっていかないと習得していけないのかな?
 魔法だったら公式だとか構成だとかで組んでいくから自分で身をもって……というのは割と多くないと思う
 でも、悠翔の言っていることが本当だったら剣術は態々、自分で受けないと覚えられないってことになる
 剣術が魔法とは全く異なる力だっていうのは解ってるけど……それは少し怖いかも

「まぁ、俺が以前に見たっていうのは夏織さんが遣っていたからなんだけどな」
「夏織さん……?」

 既に今日で何度も聞いた名前……”夏織”さん
 悠翔と恭也さんとの会話でも言っていたけど……
 恭也さんの実の母親で……悠翔の保護者みたいな人
 なんか話を聞いている限りとても凄そうな人に感じる

「えっと……夏織さんもそんなに凄いの?」
 私は今まで疑問に思っていたことを悠翔に質問する。
「夏織さんか? 夏織さんは……かなり凄いぞ。俺よりも強いっていうのは当然だけど……夏織さんは士郎さんとも互角に渡り合える」
「ええっ……!?」
 夏織さんが士郎さんとも互角に渡り合えるっていうことに私は驚く。
 士郎さんが戦っているのを見たのは今日が初めてなんだけど……。
 間違い無く士郎さんはとても強い。
 今日の悠翔との立ち合いでもかなり余裕を持っていたみたいだったし……。
 それに悠翔の攻撃を指だけで止めていた。
 正直、士郎さんの実力には驚くばかりだったんだけど……。

 夏織さんはその士郎さんとも互角……?
 それって……どれだけ凄いんだろ……?
 士郎さんって……私が見た限りだと……多分、恭也さんと同じくらいか少しだけ強いかな……ってくらいだと思う
 夏織さんも悠翔の話を聞く限りでは……もの凄い剣士なんだと思う
 悠翔に剣術を教えていたみたいだし……それに恭也さんも士郎さんも夏織さんのことを認めてた
 悠翔も夏織さんのことを尊敬しているみたいだし……
 そう考えると夏織さんは本当に凄い人なのかも……
















(まぁ、やっぱり……驚くか)
 俺はフェイトに夏織さんの話をしながらそう思う。
 既に恭也さんや士郎さんで規格外だと言っても良いのに更には夏織さんまでいるんだからな。
 それに、フェイトにはまだ言ってないけど美沙斗さんだって恭也さん達とも互角に渡り合える。
 実際に俺と美沙斗さんは何度か立ち合ったことがあるけど、美沙斗さんが俺に対して本気を出してくれたことは無い。
 夏織さんも美沙斗さんと同じだ。
 俺と立ち合う時は御神流の奥義をあまり遣わない。
 それでいて、御神流の奥義を遣って立ち合う俺を抑え込んでしまうのだから夏織さんの強さには恐れ入る。
 美沙斗さんの場合でも速さだけで充分に俺を抑え込んでしまう。
 しかも、神速の領域に入らずに。
 俺も速さはそれなりにはあるつもりだけど……美沙斗さんは俺よりも速い。
 それは、夏織さんにもいえることなんだけど。
 正直な話、俺が速さで勝っているのは恭也さんと士郎さんあたりがどうにかという感じか?
 ……美由希さんは美沙斗さん達と互角以上の速さだしな。
 いや……寧ろ恭也さんと士郎さんよりも俺の方が遅いか。
 実際に俺の場合は”瞬間”の速度が速いという感じだからその表現は間違いだから、な。
 まぁ……恭也さんと士郎さんは剣速が圧倒的に速いからな。
 特に恭也さんは”奥義之極”があるから御神の剣士の中では最速といえる。
 小回りが利く分で普通の速度的に俺が速くても……総合的に見れば俺が一番、御神の剣士としては速さも遅い。
 それに恭也さんと士郎さんには神速の二段がけもある。
 俺の前では遣ったことは無いけど……夏織さんも美沙斗さん、それに美由希さんも遣えるだろうな。
 俺も二段がけは出来なくも無いけど……恭也さんや士郎さんみたいには上手くいかない。
 今の俺の身体じゃ二段がけにはあまり耐えられないしな。
 そのあたりのことも含めて俺が一番、遅いということになる。
 もし、フェイトにこのあたりのことも含めて説明したらどうなるだろうか?
 多分……驚くだけじゃ済まないだろうな……。
















「まぁ、それだけ夏織さんは優れた人だよ」
 驚く私を後目に悠翔はなんてことも無いように夏織さんのことを説明する。
「……それって凄すぎだよ」
「確かにフェイトの言うとおりかもな。でも、俺のまわりはそんな人ばかりだ。夏織さんや美沙斗さん以外にも啓吾さんも恐ろしく強いからな」
 悠翔は特に啓吾さんの強さには吃驚する、と付け加える。
「そ、そうなんだ……」
 私は悠翔の恐ろしく強いという言葉になんて言えば良いのか解らない。

 というか……さっき言っていた陣内啓吾さんも夏織さん達とも戦えるんだ……
 しかも……吃驚するくらい強い……?
 なんか……悠翔から聞いた人達みんなそんなのばかりな気がする
 え〜っと……悠翔が言ってた人達は……
 恭也さんに士郎さんに美由希さん……それから夏織さんに美沙斗さんに……啓吾さんだったかな?
 こう考えてみると……本当に悠翔のまわりって凄い人ばかりだよね?



































 From FIN  2008/4/25



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